【S&M】犀川と萌絵が出てくる話のあらすじと感想【森ミス】

萌絵と犀川が出てくる話をまとめ、犀川×萌絵だと感じた箇所が何章であるのかを記してあります。

ネタバレだらけです。

 

時系列などはこちらのサイトがすごくわかりやすくまとめてくださっています。

www.ne.jp

また、萌絵と犀川が出てくる作品が簡潔にまとめられているブログがありましたのでリンクを貼らせていただきます。

anond.hatelabo.jp

 

 

S&Mシリーズ

すべてがFになる

孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑む。

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1章 犀川も萌絵もまだ初々しい……というか萌絵が落ち着きすぎてる感じする
2章 「嫌々付き合って下さっているのでは?」「勤務時間外に嫌なことは一切しないよ」
6章 紫色のワンピースの話が初登場。
8章 「先生、現実って何でしょう?」の会話。好き。
11章 二人で車乗るのもお店入るのもこのときが始めてらしい。初々し~!!!

まだ犀川と萌絵の距離感が遠くて、萌絵が素を見せてない感じ。四季「秋」とか読んでからこっち読むとほんとに二人とも初心で可愛いね~ってなる。

冷たい密室と博士たち

同僚の誘いで低温度実験室を訪ねた犀川助教授とお嬢様学生の西之園萌絵。だがその夜、衆人環視かつ密室状態の実験室の中で、男女2名の大学院生が死体となって発見された。被害者は、そして犯人は、どうやって中に入ったのか!? 人気の師弟コンビが事件を推理し真相に迫るが……。

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すべFに比べたらストーリーの展開が落ち着いている。喜多先生初登場。

8章 犀川が萌絵を助けにくるところかっこいい。
9章 病室で会話してるときの優しい口調の犀川先生すき。
13章 「犀川先生には、私がいるからじゃないかしら」

笑わない数学者

偉大な数学者、天王寺翔蔵博士の住む「三ツ星館」。そこで開かれたパーティの席上、博士は庭にある大きなオリオン像を消してみせた。一夜あけて、再びオリオン像が現れた時、2つの死体が発見され……。犀川助教授と西之園萌絵の理系師弟コンビが館の謎と殺人事件の真相を探る。

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私はこの本を最初に読んだ(シリーズものだと知らなかった)がすごく楽しめた。家が動くトリックにも十分に驚かされたが、最後に犀川天王寺博士が話しているところが1番面白かった。天才同士の会話、という感じがして。
あと犀川と萌絵がしれっと同じ部屋に泊まっててすごい。

1章 車内の2人の会話、良い
3章 犀川先生のバスローブ姿か~~!!!

詩的私的ジャック

大学施設で女子大生が連続して殺された。現場は密室状態で死体には文字状の傷が残されていた。捜査線上に浮かんだのはロック歌手の結城稔。被害者と面識があった上、事件と彼の歌詞が似ていたのだ。N大学工学部助教授・犀川創平とお嬢様学生・西之園萌絵が、明敏な知性を駆使して事件の構造を解体する!

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5章 犀川の研究者としての側面を全然知らないことに気付く萌絵
6章 国枝におすすめの論文を聞いて読む
8章 「甘えてるからだよ」
9章 「私と結婚して下さい」
12章 「私以外の人と結婚しないで下さい」

封印再度

50年前、日本画家・香山風采は息子・林水に家宝「天地の瓢」と「無我の匣」を残して密室の中で謎の死をとげた。不思議な言い伝えのある家宝と風采の死の秘密は、現在にいたるまで誰にも解かれていない。そして今度は、林水が死体となって発見された。2つの死と家宝の謎に人気の犀川・西之園コンビが迫る。

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タイトルがお洒落。しかもどちらも内容と深く関わっている。男の子が死を「いない」と表現するくだり、少し強引かなとも思ったが面白かった。

犀川と萌絵の関係性が一歩前進、というかゴールイン手前まで行った。

瀬戸千衣「コンピュータが立ち上がるの?」「自分で電話をかけたほうが便利じゃない?」←これぞくぞくする。有限と微小のパンを読んでからもう一度読んでください。

 

3章 クリスマスイブにお酒飲んで男女がお泊まり……?????
4章 国枝先生「ごちそうさま」笑
5章 睦子叔母様と犀川先生の初対面
8章 暴走してる犀川先生!!!!犀川→萌絵の感情は恋ではないと思うんだけど、それでも親愛の情が確かにあるからあんな行動に至ったんだよね……。
10章 「ごちそうさま」の意味が分かる

 

幻惑の死と使途

「諸君が、一度でも私の名を呼べば、どんな密室からも抜け出してみせよう」いかなる状況からも奇跡の脱出を果たす天才奇術師・有里匠幻が衆人環視のショーの最中に殺された。しかも遺体は、霊柩車から消失。これは匠幻最後の脱出か? 幾重にも重なる謎に秘められた真実を犀川・西之園の理系師弟が解明する。

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マジシャンが亡くなる話。最後謎を解くところの犀川先生がかっこいい。

17章 「最高に綺麗なスイッチだね」!!!

そんな台詞をすらっと言えちゃう犀川先生……。それどこで学んだわけ?

夏のレプリカ

T大学大学院生の簑沢杜萌は、夏休みに帰省した実家で仮面の誘拐者に捕らえられた。杜萌も別の場所に拉致されていた家族も無事だったが、実家にいたはずの兄だけが、どこかへ消えてしまった。眩い光、朦朧とする意識、夏の日に起こった事件に隠された過去とは?『幻惑の死と使途』と同時期に起こった事件を描く。

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萌絵の友達である簑沢杜萌が誘拐される話。叙述トリックって言うんですか?萌絵とチェスをするシーンは圧巻だった。

 

今はもうない

避暑地にある別荘で、美人姉妹が隣り合わせた部屋で1人ずつ死体となって発見された。2つの部屋は、映写室と鑑賞室で、いずれも密室状態。遺体が発見されたときスクリーンには、まだ映画が……。おりしも嵐が襲い、電話さえ通じなくなる。S&Mシリーズナンバーワンに挙げる声も多い清冽な森ミステリィ

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萌絵らしくない行動が多々あるなと思ったらそういうことか、とまんまと騙された。「S&Mシリーズナンバーワンに挙げる声も多い」というのは私としては少し納得できなくて、なぜなら萌絵と犀川の話ではないから……。もちろん面白いんだけど。私の中のナンバーワンは『すべてがFになる』か『有限と微小のパン』です。

犀川と萌絵が2人でドライブしているの良いですね。

「意味のないプロローグ」:萌絵の告白をしれっと受け流す犀川先生……
「なくてもいい幕間」:犀川の膝の上に腰掛け首に手を回して抱きついた!?それに対して身をこわばらせてる犀川先生可愛い。 

数奇にして模型

模型交換会会場の公会堂でモデル女性の死体が発見された。死体の首は切断されており、発見された部屋は密室状態。同じ密室内で昏倒していた大学院生・寺林高司に嫌疑がかけられたが、彼は同じ頃にM工業大で起こった女子大学院生密室殺人の容疑者でもあった。複雑に絡まった謎に犀川・西之園師弟が挑む。

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大御坊が初登場。萌絵の親戚が犀川の高校の同級生って、世界は狭いなあ。これもタイトルが秀逸。そういえばS&Mシリーズのどこかで萌絵が秀逸という言葉を犀川から言われて「シュー・イッツ?」と返していた場面があったような。

萌絵が人質に取られている中で冷静に状況を判断して最善の行動を取れる犀川……かっこよすぎ。

 

有限と微小のパン

日本最大のソフトメーカが経営するテーマパークを訪れた西之園萌絵と友人・牧野洋子、反町愛。パークでは過去に「シードラゴンの事件」と呼ばれる死体消失事件があったという。萌絵たちを待ち受ける新たな事件、そして謎。核心に存在する、偉大な知性の正体は……。S&Mシリーズの金字塔となる傑作長編。

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瀬戸千衣……いやマジで???封印再度のときにはモブキャラだと思ってたし覚えてもいなかったのに。萌絵と犀川が四季と話すシーンはこちらまでどきどきした。そして警察まですべて劇の演者で、でも演者は事件が起きたと知らない……。相変わらずすごいトリック。

 

四季シリーズ

幼くして発現する、真の天才。天才科学者・真賀田四季。彼女は5歳になるまでに語学を、6歳には数学と物理をマスタ、一流のエンジニアになった。すべてを一瞬にして理解し、把握し、思考するその能力に人々は魅了される。あらゆる概念にとらわれぬ知性が遭遇した殺人事件は、彼女にどんな影響を与えたのか。圧倒的人気の4部作、第1弾。

13歳。四季はプリンストン大学でマスタの称号を得、MITで博士号も取得し真の天才と讃えられた。青い瞳に知性を湛えた美しい少女に成長した彼女は、叔父・新藤清二と出掛けた遊園地で何者かに誘拐される。彼女が望んだもの、望んだこととは? 孤島の研究所で起こった殺人事件の真相が明かされる第2作。

妃真加島で再び起きた殺人事件。その後、姿を消した四季を人は様々に噂した。現場に居合わせた西之園萌絵は、不在の四季の存在を、意識せずにはいられなかった……。犀川助教授が読み解いたメッセージに導かれ、2人は今一度、彼女との接触を試みる。四季の知られざる一面を鮮やかに描く、感動の第3作。

「それでも、人は、類型の中に夢を見ることが可能です」四季はそう言った。生も死も、時間という概念をも自らの中で解体し再構築し、新たな価値を与える彼女。超然とありつづけながら、成熟する天才の内面を、ある殺人事件を通して描く。作者の1つの到達点であり新たな作品世界の入口ともなる、4部作完結編。

四季シリーズ|森博嗣ONLINE|講談社文庫|講談社BOOK倶楽部

これらのシリーズを読んでからさらに四季が好きになったし恐ろしくなった。レゴブロックの謎がわかる。

 

『秋』の感想を以下細かく書きます。個人的には『いつ入れ替わった?』よりも犀川×萌絵要素が強いと感じている。

プロローグ:相合い傘を提案されるも人目を気にして断る犀川
1章:四季に犀川先生が奪われるような心配をする萌絵。確かに犀川があそこまで人に興味持つってすごいことだよな~と思うなど。「愛情が摩擦熱」いい。
2章:指輪の後日談聞けて嬉し~!!!萌絵が信じられないくらい浮かれてルンルンしてる。てかそっか、指輪のときってまだ萌絵がドクターだったのか。
「君のことで頭がいっぱいだったのかもね」ジョークだとしてもこれを犀川が言うの、感慨深いというか……ついにここまできたのね……という感じ。

4章:婚前旅行回!ありがとう!!!!!歩いてるときナチュラルに手を掴んだり、萌絵のトランクを犀川が持ってたりして最高すぎ。
笑わない数学者』のときは同室なことにお互い反応があったけど、もう自然に同じ部屋なのね。まあ結婚するんだもんね~!!!
萌絵の四季に対する恐怖は、両親が亡くなったこと関連と同じくらい、犀川を奪われるかもしれないという想像が原因になってるような気がするなあ。

5章:睦子さんと萌絵の会話。お節介な叔母様的な描写が今まで多かった睦子だけど、萌絵のことを心から考えてる保護者なんだよね……。
瀬在丸紅子さん「貴女が、太陽を好きになったか、扇風機を好きになったか、の差です」←良すぎ
Vシリーズも読みたいな。

Gシリーズ

キウイγは時計仕掛け

S&Mシリーズの同窓会!!!!恋愛色は強くないけど、犀川研のわちゃわちゃが見れて嬉しい。

 

Vシリーズ

捩れ屋敷の利鈍

萌絵と国枝先生がメイン。犀川先生は電話での登場。国枝先生がどんどん表情豊かになってる……。

まどろみ消去

大学のミステリィ研究会が「ミステリィツアー」を企画した。参加者は、屋上で踊る30人のインディアンを目撃する。現場に行ってみると、そこには誰もいなかった。屋上への出入り口に立てられた見張りは、何も見なかったと証言するが……(「誰もいなくなった」)。ほか美しく洗練され、時に冷徹な11の短編集。

ミステリィ対戦の前夜

萌絵がミステリィ研でわちゃわちゃしている話。

 

誰もいなくなった

犀川先生に一瞬で謎を見破られて悔しがっている萌絵が可愛い。そして犀川はすごい。

 

地球儀のスライス

「黒窓の会」。西之園萌絵を囲んで開かれるその秘密の勉強会にゲストとして招かれた犀川創平は、古い写真にまつわるミステリィを披露した。屋根飾りと本体が別々になった奇妙な石塔は、何のために作られたのだろうか。S&Mシリーズ2編を含む、趣向を凝らした10作を収録。『まどろみ消去』に続く第2短編集。

石塔の屋根飾り

犀川が萌絵の父の話をする。諏訪野、そのころから西之園家に仕えていたのね。

 

マン島の蒸気鉄道

これも諏訪野だけが知っていたパターン。犀川、睦子叔母様の話を訂正しないの偉い。そんなことできる人だったんだね。

 

今夜はパラシュート博物館へ

N大学医学部に在籍する小鳥遊練無は、構内で出会った風変わりなお嬢様に誘われて「ぶるぶる人形を追跡する会」に参加した。大学に出没する踊る紙人形を観察し、謎を解こうというのだが……。不可思議な謎と魅力的な謎解きに満ちた「ぶるぶる人形にうってつけの夜」ほか、魅惑の7編を収録した珠玉の第3短編集。

どちらかが魔女

これも諏訪野が知っているパターン。大御坊、おめでとう~!

 

双頭の鷲の旗の下に

調べて知ったが、ワーグナーの曲のタイトルなんだ。聴いてみたけど良い曲だった。

SとHを犀川と喜多だと思わせておいて違う……と思いきや2人も昔それをしていた、という話。2人の母校の学園祭。喜多がちゃんと頭良い、いつもチャラいから忘れがちだけど助教授だもんな。

国枝先生の旦那さんが初公開。国枝先生好きだからもっと掘り下げてほしい!!国枝先生のプライベートとかマジで想像つかないんだけどどんな感じなんだろう。家でもあの感じなのかな

 

虚空の逆マトリクス

西之園萌絵にとって、その夜は特別なものになるはずだった。けれどちょっとした心理の綾から、誘拐事件の謎解きをする展開となり……(「いつ入れ替わった?」)。上から読んでも下から読んでも同じ文章になる回文同好会のリリおばさんが、奇妙な殺人事件を解決(「ゲームの国」)など軽やかに飛翔する、短編7作を収録。

いつ入れ替わった?

萌絵おめでとう。緊張している犀川が珍しい。いつ渡そうかタイミングはかってたのかな、指輪渡すなんていう一大イベントなんだからそりゃあ緊張もするか。指輪の意味を言わないのが犀川らしい。最後の萌絵と犀川の車内での会話が私にはよく理解できなかった。

「でも、そっちのほうが素直かも」

『そっち』が何を指してる指示語なのかわからない(現国の試験みたいですね……)

 

レタス・フライ

西之園萌絵は、叔母を連れて白刀島までやってきた。加部谷と、この島の出身者である山吹、海月と合流し、夕食の席で、島の診療所に女性の幽霊が出るという噂話を耳にする(「刀之津診療所の怪」)。ほか「砂の街」、文庫版に初収録の「ライ麦畑で増幅して」など、煌めく魅力を湛えた、全10作の短編を収録。

刀之津診療所の怪

犀川が出てこないが、睦子と萌絵の話。

 

まとめ

犀川先生が萌絵に話すときに「~だよ。」という口調になるのが大好き。

 

森博嗣の作品全体に言えることだが、1990年代や2000年代の作品なのにコンピュータの描写などがまだ現代から見てそこまで古くないのが信じられない。先見の明ありすぎる。カタカナ語の終わりの文字に長音記号(伸ばし棒)を使わない書き方、最初は違和感があったけど慣れると癖になる。短編はやけに諏訪野と睦子の出番が多いですね。

至る所に伏線が張り巡らされていてトリックが複雑な森博嗣の作品は2度目、3度目にやっと話の全貌がつかめるということが多々あった。

何度読み直しても新たな発見がある森ミス。好き!!!!!!!